3月3日に刊行された小説『かなしみの向こう側』の発売記念企画として、著者の高佐一慈さん(THE GEESE)が、小説執筆経験のある芸人さんと対談する企画が進行中です。
最初の対談相手は、『おおあんごう』(講談社)を書かれた加賀翔さん(かが屋)。お互いの著書を持ち寄っての楽しい対談となりました。
ナニヨモ編集部は、『おおあんごう』の執筆について、加賀さんに質問させていただきました。
【加賀翔さんへのご質問】
1.『おおあんごう』について、まだ読んだことのない方へ向けて、内容を教えてください。
好きにはなれないけど笑ってしまうという人が世の中には居て、嫌いだけど面白いかもと思えるようになれたらとてもいいなというお話です。
2.『おおあんごう』を書かれた、きっかけを教えてください。
講談社さんの群像という雑誌で随筆を書いてみませんかとお話をいただき、書いたお話を読んでくださった担当の方がもっと長いお話を読んでみたいですとお声掛けくださって書きました。
3.執筆されたときに苦労したこと、当初の構想から変化した部分など、執筆時のエピソードがございましたら教えてください。
小説を書くノウハウがなかったのでとても困りました。小説の書き方の本を読んだら悪い例が全て当てはまっていたので、背伸びせずに自分の地元や見てきた景色などをモチーフにしようと心がけました。
4.お笑いによる表現と、小説による表現との違いで、意識されたところはありますでしょうか?
お笑いだと、顔や状況などが目で見てわかりますが、想像してもらわないといけないのでかなり細かく書かなくちゃいけないなという印象でした。
5.これまでに読まれてきて影響を受けた作品はありますでしょうか? 小説や文芸に限らず、映画でも。お好きな作品・作家を教えてください。
又吉さんせきしろさんの自由律俳句の本です。本を読む方ではなかったのですが、1行で想像させられましたし、言葉の面白さを知る大きなきっかけでした。
6.『おおあんごう』で、読者にとくに見てもらいたい・感じてもらいたいところは?
冒頭でも書きましたが、嫌いだなあという人物の、行動や考え方全てを否定する必要はなく、面白がれたらとてもいいですよねと書いてから思いました。
7.小説を書くうえで大切にされていることや、こだわりを教えてください。
どう表現したらいいか困って言葉が出てこないところが多くあったのですが、それも今の実力と受け入れてまたあとで思いついたら変えようと思って進めました。
8.高佐さんの『かなしみの向こう側』を読まれた感想を教えてください。
高佐さんを知ってる知ってない関係なく素直にとても面白かったです。ぐんぐん読まされて止まりませんでした。
一体どんな小説を書かれるのかと楽しみに開きましたら『天然コンタクトレンズを巡る旅』という言葉が飛び込んできて、書き出しどころかタイトルでもう面白いんだと驚きました。
ギースさんのコントにおいてもそうですが着眼点が素晴らしく、文章もこんな面白いのかと感動です。『玉依存』は映像や漫画で表現すると一気に印象が変わりそうですし、文章だからこその面白さをとても感じました。とても初めての小説とは思えずあんぐりという感じです。読ませていただけてありがとうございます。
加賀翔さんの『おおあんごう』
加賀 翔 (カガ ショウ)
1993年、岡山県生まれ。マセキ芸能社所属のお笑い芸人。相方の賀屋壮也と2015年に「かが屋」を結成。「キングオブコント2019」では決勝に進出。ラジオ・バラエティ番組の他、趣味の短歌と自由律俳句のイベントにも出演しマルチに活躍中。
対談動画はこちら
前編
後編