話題のトピックを紹介する「ナニヨモトレンド」のコーナーです。
桜の花が咲く季節となりました。SNSなどでも、「桜満開」などのキーワードが話題になっています。私たちにとって、桜は親しみが深い存在ですが、小説でも、桜はたくさん描かれてきました。
今回は、桜がモチーフになっている小説をご紹介します。
桜がモチーフになっている3冊のおすすめ小説
1冊目は、千早茜の『桜の首飾り』です。
本作は、桜についての7作品の短編が収録された短編集です。
花見の場所取りでの雨宿りで起きた一幕を描いた「白い破片」や、大学の資料館でのバイト中に青い桜の刺青の標本を探すように依頼される「背中」などが収録されています。
2冊目は、水上勉の『櫻守』です。
本作には、京の庭作に仕え、生涯を桜に捧げた庭師を描いた「櫻守」と、他1編の2作品が収録されています。
第45回直木賞を受賞した『雁の寺』などで知られる、人間を描いてきた作者の持ち味は、「櫻守」にも表れています。
最後にご紹介するのは、夕映月子の『樹木医補の診療録 桜の下にきみを送る』です。
本作は、有名な花守を祖父に持つ主人公が、樹木医になるために造園会社に就職し、祖父が育ててきた桜を見にいくことから話が展開する、ミステリー小説です。
樹木医の世界について緻密に描かれていて、物語を楽しみながら、樹木医のことも知ることが出来ます。
小説で、もっと深く桜に親しんでみていただければと思います。