『夢伝い』(宇佐美まこと) 集英社
 発売:2022年05月02日 価格:1,980円(税込)

孤独を愛する人気作家が突然の断筆宣言。担当編集者は作家の住む地方へひとり、向かった。作家を脅かすものを探しに――。(「夢伝い」)/地球に近づいてきた惑星、現れた女遍路――。四国に戻って来た私は、40年前の午後を思い出していた。(「送り遍路」)/自らの胎内で卵を孵すセグロウミヘビ。海洋生物マニアの男は「彼女」を手に入れてから生活が一変し……。(「卵胎生」)/未知のウイルス性感染症が蔓延した後、「新しい世界」の幕が開けた。男は都心から自然豊かな土地に移住を決め、恋人とはリモートで関係を深めていたが……。(「果て無き世界の果て」)など、昭和から現代までを舞台に、日常に潜む怪異や心理の歪みから生まれる怪奇を描いた全11話を収録。

【著者プロフィール】

1957年、愛媛県生まれ。2006年「るんびにの子供」で「第一回『幽』怪談文学賞〈短編部門〉」大賞を受賞。同作を表題作とした短編集を2007年に刊行。2017年『愚者の毒』で「第70回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉」を受賞。2020年に『展望台のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に、2021年には『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補にそれぞれ挙がっている。その他の著書に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』、近著に『月の光の届く距離』『子供は怖い夢を見る』などがある。

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