『コークスが燃えている』(櫻木みわ) 集英社
 発売:2022年06月03日 価格:1,650円(税込)

筑豊の炭鉱町出身でもうすぐ40歳になる主人公・ひの子。東京に住み、非正規で新聞社の校閲の仕事をしながら小説を書いている。両親は他界していて、年下の恋人だった春生とは1年以上前に別れていた。新型コロナウイルスが広がるなか、以前にひの子の弟と結婚騒動を引き起こした女性・沙穂から連絡があり、食事をすることになる。ひとりで子供を育てながら、看護師として働く沙穂の影響を受け、ひの子は逡巡しながらも春生にメールを送ってしまう。すると思いがけず返信があり、再会を果たし……。現代女性が対峙する実相を、かつて炭鉱で労働を担った女性たちに心を寄せつつ鮮烈に描く。

【著者プロフィール】

1978年、福岡県生まれ。大学卒業後、タイの出版社に勤務。その後フランス、東ティモール滞在などを経て帰国。2016年、「ゲンロン 大森望 SF創作講座」を受講。2017年に「わたしのクリスタル」が「第1回ゲンロンSF新人賞」最終候補作となり、2018年に同作を含む作品集『うつくしい繭』で単行本デビュー。『25の短編小説』『2084年のSF』などのアンソロジーにも作品を発表している。

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