波乱の展開にワクワクしたり、悲恋の切なさに胸を締めつけられたり、どっぷり没入することで日常を忘れさせてくれる「小説」読書はもちろん楽しい! でも、空いた時間に気軽に読めて、著者の想いがよりダイレクトに伝わってくる「エッセイ」の心地よさも、魅力的な読書体験を提供してくれます。

今回は世界で活躍するアーティスト・山瀬理桜さんの初めてのエッセイ集をコメントと共にご紹介。あわせて、気になる作家さんたちがこの夏に刊行&刊行予定の新作エッセイ集のご紹介と、2本立てでお贈りするエッセイ特集です。

ヴァイオリニスト・山瀬理桜さんがノルウェーの「現在」を綴る

ヴァイオリン、そしてノルウェーの民族楽器であるハルダンゲルヴァイオリン奏者として世界で活動する山瀬理桜さんが、今年1月に刊行した初めてのエッセイ集『悪いのはお天気ではなく、着ている服だ。』。

「言い訳していないで、自分から状況を変えよう!」という意味を持ったノルウェーのことわざをタイトルにした、山瀬さんが肌で感じたノルウェーの魅力がいっぱいに詰まった1冊を、山瀬さんからのスペシャルコメントと共にご紹介します!

『悪いのはお天気ではなく、着ている服だ。』(山瀬理桜) 出版文化社
 発売:2022年01月11日 価格:1,980円(税込)

内容紹介】 

幸福度ランキング毎年上位の、北欧ノルウェーに長年通い続けているヴァイオリニスト・山瀬理桜さんが、ノルウェーを多角的に紹介した初エッセイ集。 

「なぜランキング上位なのか」「ノルウェー人の考える幸せとは?」「多様性とは?」などをテーマに、『ソフィーの世界』の作家ヨースタイン・ゴルデル氏をはじめ、ノルウェーの第一線で活躍する有識者17名にインタビュー取材を敢行。
北欧の福祉・教育・平等・文化と、サステナブルなノルウェーの幸福の考え方、つかみ方を知り、これからの人生を豊かに、新しい時代をしなやかに生きるためのヒントが盛り沢山の一冊です。 

【山瀬理桜さんスペシャルコメント】 

ピアニストである私の姉がノルウェー人と結婚し、その後、姉とのノルウェームンク美術館内ホールでのデュオコンサートをきっかけに、ノルウェーの民族楽器ハルダンゲルヴァイオリン(現地名:ハーディングフェーレ)との出会いに繋がり、ますます縁が深くなりました。 

楽譜のないこの民族楽器を現地で学ぶなか、平等を愛する国民性を直に感じ、「先生」という言葉や「敬語」を無くした国の背景や歴史、また貧しかった国がみるみる豊かに幸福になる様子を間近で見る事で、音楽だけでなく、ノルウェーという国のユニークな考え方にも興味を持つようになりました。 

ノルウェーは2017年に世界幸福度ランキング1位を取っているのですが、それについて2019年にノルウェーの有識者17名インタビューをする機会を得ました。 

実際に国づくりに携わった、政治家や官僚、ジャーナリストなどから、「幸福」への考え方や「つかまえ方」、平等やSDGsがなぜ大切なのかなど、お話を伺いました。 

日本の音楽大学を卒業し、企業への就職もなく、一演奏家として日本で仕事を続け、その時から私が感じていたモヤモヤした思い。 

世界男女平等ランキング120位()の日本で、組織に所属せず一アーティストとして働く大変さは、男女平等ランキング3位()のノルウェーとの縁を持つことで浄化されました。 

私は若くても、女でも、アジア人でも、良い仕事をして社会に貢献出来れば良いのだ、こんな当たり前の事をノルウェーから知ることが出来ました。 

インタビューでクリアになった大切な気持ちをエッセイにまとめたいと思いそれがこの本になりました。 

北欧ノルウェー流の幸福のつかまえ方、アイデアを記したこの本には、これからの時代を生きる若い皆様や、その親御様に知って頂きたい情報が沢山つまっています。 

なぜノルウェーは「教育費と医療費が無料」なのか? なぜ「平等が大切」なのか? なぜ「SDGs(持続可能な社会)が必要」なのか? なぜ「働く時間が短く、収入が高い」のか?――等々、幸福につながる北欧流のアイディアを読み解いて下さい! 

※=共に世界経済フォーラム(World EconomicForum:WEF) 2021年 

【著者プロフィール】

マレーシア・クアラルンプール生まれ。桐朋学園音楽大学演奏学科ヴァイオリン科卒業。1992年より国内外のオーケストラと共演、ノルウェーのムンク美術館内ホール等、日本と北欧でコンサートツアーを開始。宮崎駿監督の短編アニメ『水グモもんもん』の音楽監督(作曲&演奏)を担当し、スタジオジブリ作品『ゲド戦記』にも演奏参加。ビクターエンタテインメントより「ゴールデン・オーロラ」「クリスタル・ローズ・ガーデン」「フィヨルドの愛の唄」等CD多数リリース。メジャーデビュー10年目の2014年からは、出生地でもあるマレーシアでのコンサート活動も開始。2018年、ノルウェーの作曲家グリーグの誕生日でもある6月15日に、ハルダンゲル自治区から「Good-will ambassador of Hardanger(ハルダンゲル親善大使)」に任命される。

新刊&近刊、この夏楽しみたいエッセイ集5選!!

『スマホになじんでおりません』(群ようこ) 文藝春秋
 発売:2022年07月13日 価格:1,430円(税込)

携帯電話すら持たず、「あんなものは一生いらない」と思っていたスマートホンが、いまなぜか自分の手元に……? 年老いた愛猫のため、緊急時の仕事連絡のためと意を決して手に入れてはみたものの幾重にも要求されるパスワード地獄、キーボード無しの難儀な文字入力、生存確認として友人から義務付けられたゲームのわずらわしさ、いちいちしなければならない充電作業、文字の読みにくい小さな画面……便利よりも不便に感じることだらけなのであった――。切実さに満ちながら、どこかクスっと笑ってしまう著者の奮闘エッセイ。

【著者プロフィール】

1954年、東京都出身。「本の雑誌社」に事務職として勤務しながら『本の雑誌』誌でコラム執筆をはじめ、在籍中の1984年に単行本『午前零時の玄米パン』を発表し本格的にデビュー。小説の執筆も手掛けるようになり1989年に『無印OL物語』を発表。連続ドラマ化された『ヤマダ一家の辛抱』や映画原作として書き下ろされた『かもめ食堂』をはじめ、『挑む女』『オトナも子供も大嫌い』『パンとスープとネコ日和』など多数の作品を発表している。近著に『今日は、これをしました』(エッセイ集)、『おネコさま御一行 れんげ荘物語』(小説)などがある。

『べつに怒ってない』(武田砂鉄) 筑摩書房
 発売:2022年07月19日 価格:1,760円(税込)

2015年の初の著書『紋切型社会』で、なにげなく使う定型の言葉の裏に潜む欺瞞を暴いて世間を震撼させ、現在フリーライター、ラジオパーソナリティーとして活躍する著者が、『日経MJ』紙で連載してきた中から厳選した123本を収録。やろうと思ったけどできなかったこと、やる前に考えてしまったこと。だからなに?」と思ってしまう文章のひとつひとつにやがて触発され、自分の思いの形が見えてくる。不毛な考えが豊かに花開く不思議な読書体験が味わえる最新エッセイ集

【著者プロフィール】

1982年、東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年よりフリーライターとして活動をはじめる。2015年に刊行した初の著書『紋切型社会――言葉で固まる現代社会を解きほぐす』で「第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞」「第9回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。その他の著書に『コンプレックス文化論』『日本の気配』『わかりやすさの罪』『偉い人ほどすぐ逃げる』、近著に『開局70周年記念 TBSラジオ公式読本』『マチズモを削り取れ』などがある。

『瓢箪から人生』(夏井いつき) 小学館
 発売:2022年08月01日 価格:1,485円(税込)

大人気番組『プレバト!!』で毒舌先生」としてお馴染みの俳人である著者が、これまでの人生で出会った忘れ得ぬ人たちを綴った全45編のエッセイを収録。『プレバト!!』誕生の秘話、師匠となる黒田杏子さんとの出会いや父親の思い出、夢枕獏さんとの意外な交流……どの一編も、俳人ならではの観察眼と著者らしいユーモアが詰まっています。自作の俳句をはじめ、佳句、笑句も多数紹介。俳句を作るヒントも満載で入門書としても楽しめる1冊

【著者プロフィール】

1957年、愛媛県生まれ。教員生活を経て、1997年に俳句集団「いつき組」を結成。2013年からテレビ番組『プレバト!!』内「才能査定ランキング」にて俳句部門の査定を担当し人気を集める。この番組出演を評価され、「第44回(2017年度)放送文化基金賞」を個人・グループ部門で受賞した。2021年には「第四回種田山頭火賞」を受賞している。1999年に第一句集『伊月集』を発表。以降、句集、俳句入門書、俳句関連書籍を多数出版している。近著に『夏井いつきの「今日から一句」』『夏井いつき、俳句を旅する』『鶴 句集伊月集』などがある。

『そして誰もゆとらなくなった』(朝井リョウ) 文藝春秋
 発売:2022年08月08日 価格:1,540円(税込)

「ゆとり世代」と呼ばれ続けた、平成生まれにして「戦後最年少直木賞作家である著者の、『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く人気エッセイシリーズ第3弾。「修羅!腹痛との戦い」「戦慄!催眠術体験」「迷惑!十年ぶりのダンスレッスン」「他力本願!引っ越しあれこれ」「生活習慣病!スイーツ狂の日々」「帰れ!北米&南米への旅etc……怒涛の500枚書き下ろしを含む一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る頭空っぽで楽しめる本の決定版!

【著者プロフィール】

1989年、岐阜県出身。大学在学中の2009年に『桐島、部活やめるってよ』で「第22回小説すばる新人賞」を受賞しデビュー。同作は2012年に映画化された。2013年に『何者』で「第148回直木賞」を受賞。同年には『世界地図の下書き』で「第29回坪田譲治文学賞」も受賞。2021年には『正欲』で「第34回柴田錬三郎賞」を受賞している。その他の著書に『チア男子!!』『もういちど生まれる』『武道館』『死にがいを求めて生きているの』『どうしても生きてる』『発注いただきました!』『スター』などがある。

『透明な膜を隔てながら』(李琴峰) 早川書房
 発売:2022年08月17日 価格:2,420円(税込)

台湾出身で2017年に初めて日本語で執筆した小説で作家デビューを果たし、2021年に芥川賞受賞――第2言語である日本語で作品を発表する著者は、何を思いながら小説を書き続けているのか。創作の源泉にあるものとは。言語、出生観、性、日本と台湾の歴史、読むことと書くこと。繊細な筆致で綴る初めてのエッセイ集

【著者プロフィール】

1989年、台湾生まれ。2017年に「独舞」で「第60回群像新人文学賞」優秀作を受賞、『独り舞』と改題の上デビュー。2021年、『ポラリスが降り注ぐ夜』で「第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞」を、『彼岸花が咲く島』で「第165回芥川賞」を受賞。その他の著書に『五つ数えれば三日月が』『星月夜』『観音様の輪』(電子書籍限定)、近著に『生を祝う』がある。

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