『ワンダーランド急行』(荻原浩) 日経BP 日本経済新聞出版
 発売:2022年12月20日 価格:2,090円(税込)

今朝の会議はユーウツ。こんな生活、いつまで続けるんだ……。ぐだぐだ考えているうちに出てしまった下り電車は「急行」。次々と通過していく駅を見ながら40歳の野崎修作は「ろくでもない毎日からの脱出」とサボりを決める。スーツで山に登り、やがて「日常」に戻ると……。どこかで聞いたような疫病が世界を分断し、新宗教の持つ票があらゆる選挙を左右するらしい。「正義」に縛られた人たちはネット上で――。そこは慣れ親しんだようでまるで知らない世界だった。2021年、コロナ禍で行動制限下の時期にはじまった新聞連載の書籍化。ここは私のいるべき場所じゃない。私の世界へ帰るのだ。野崎の願いは叶うのか?

【著者プロフィール】

1956年、埼玉県生まれ。1997年『オロロ畑でつかまえて』で「第10回小説すばる新人賞」を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で「第18回山本周五郎賞」を受賞。同作が2006年に映画化され大ヒットしたことで一躍注目を集める。2014年には『二千七百の夏と冬』で「第5回山田風太郎賞」を受賞し、2016年には『海の見える理髪店』で「第155回直木賞」を受賞した。その他の著書に『あの日にドライブ』『押し入れのちよ』『四度目の氷河期』『愛しの座敷わらし』『砂の王国』『金魚姫』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『ストロベリーライフ』『海馬の尻尾』『それでも空は青い』『楽園の真下』などがある。また2017年に漫画家としてもデビューし、2020年に『人生がそんなにも美しいのなら 荻原浩漫画作品集』を刊行している。

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